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僕は、彼らを見逃しても良いのだが、鉄面皮のホーリーさんと寝起きの悪いマルアさんはどうだろう。
このまま見逃してしまうと、きっとどこかで善良な人々を襲ってしまうだろう、かなりの確率で。それは、種族問わず、悪い奴は、悪い事をしなければ生きていけないという業のようなものなのか。
生まれながらの悪のエリートは、それを悪行と思わず、息を吸うように、悪を行うだろうし、自ら、または自らが信じるものこそ、善と思い込んでいる者は、悪だと思っている、悪を許さないだろうし。
極端な存在、メンドクサイ。
「邪魔だから、早く出て行ってくれませんか、ゴブリンさん」
僕がそう言うと、頭を掻いてこそこそと、下の階へ降りて行こうとした。
明らかに、処分しようと言う雰囲気のホーリーさんと、武器を構えたままのマルアさんに、見逃してあげて、な目配せをした僕。
彼ら、僕の背中を通り過ぎた瞬間、急に襲い掛かってくる事も無く、小走りで逃げて行った。
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