勇者LV.1

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『テリリリッティティーン♪』 「今日は調子良いですね。このまま食事だけでレベル100いけるんじゃないですか?」 「モグモグ」  流石に、食事だけでそこまでは無理だ。  レベルが上がるほど次のレベルまでの経験値は増えるから、体重が100キロ超えるくらい食べても無理だろう。 「それは冗談ですが、今日の朝食、凄くレベル上がりましたね。レベル32です。ちょっとした魔王の親衛隊長くらい倒せますよ」  うちの妹は分析能力が高い。  その人を見ただけで、大概の強さやレベルを把握する。  隠し事をしていても、ほぼ見破られるから重要な文献を隠すのも至難。  だからお年頃の僕は、重要文献をベッドの下に隠すことも出来ずヤキモキする。  そう考えると、妹が一番厄介なボスかもしれないな。 「隣のロテおじさんに、もう一度お礼言わなきゃ」 「そうだ、ね」 「今日は、学校で社会科見学があるから、早めに出ますね」  掃除やらテキパキとこなしつつ兄のお世話も焼く出来た妹。
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