勇者LV.3

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 価格は普通のパンの10倍程らしいが、冒険者女子の間では飛ぶように売れているらしい。パンそのものもそうなのだが、その袋も可愛らしいデザインで、そう言う細かな心使いが、女子にはウケるんでしょうね。  こんな状況じゃなければ、僕もスイーツタイムにお邪魔したいのです。  僕は、食欲が無いので結構です。と断りを入れて、喉の渇きを気付け薬で癒しながら、一休み。 「勇者様、これ、美味しいですよ」  今までにない極上の笑顔で、口の周りに砂糖でお化粧をしているホーリーさん。至福の笑顔が眩しい。  そう言えば、今何時だろう?  壁に開いた大穴から、外を覗くと、もう昼前くらいな日の高さが分かった。  城の天辺らしきものも見える。あと数階で、たぶん魔王の間、だろう。
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