目覚めはゼロな鬱勇者

勇者LV.3

　レベルの高い魔王城、今までの五本の指に入りそうな手強いザコがいる魔王城なのだが、なんだかピクニック気分になっている。

　小山でお気軽にリフレッシュする山ガールみたいな感じ、なんでしょうか。

　気が付くと三人パーティーになっている。

　戦士、僧侶、勇者、魔法使いが居れば、バランスの取れた冒険者パーティーの出来上がりではないか。本来なら、ゴリゴリの戦士姉弟と妖精男との四人パーティーだったはずなのだが、今の状況は何と幸せなのか。

　美人聖母ときっと美人であろう仮面の戦士。

　願わくば、あと一人、可愛い女子魔法使いが、仲間になって欲しい。

　妄想が膨らむと足取りが軽くなり、なんだか眠たくもなる。

　生臭い血の臭いを嗅いで、現実に戻ろう。

　次の階を奥へと進むと、カチカチと言う軽いカルシウム音が聞こえてきた。