勇者LV.3

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 眩い光が静まると、角材はシルエットを、神々しい大剣に姿に変え現れた。  ピンクのあっさりとした肩当と胸当て、真っ白な布がひらひらと舞う装備。銀の髪飾りは、落ち着い手はいるがゴージャス。おでこの辺りに、青い宝石のような物が光っている。  まだファイナルなんちゃらなアトラクションの余韻蛾残る中、ホーリーさんは、瞬足で突撃した。  先頭で、両腕をだらりと垂らす、黒い骸骨の一体。左右の手には包丁のような短めの剣をぶら下げている。彼がホーリーさんのターゲットになったようだ。  一撃目は、包丁一本で弾かれた。  二撃三撃と、重い剣撃に、弾かれつつも、圧している。  そして、もう一体が割って入り、高速の剣劇が始まった。  などと、他人の動きを見る余裕は、すぐ無くなった。  背中から手羽先の伸びた黒い骸骨が二体、空気をかく事も無く、羽をバタつかせ、地面から足を浮かせた状態で、こちらを睨む。
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