勇者LV.1

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 それから、昨日僕が持ち帰った戦利品を整理に取り掛かった。  あれやこれやとメモを取りながら、売り物になるモノと保存用に仕分け。  防御系と鑑識系の能力に秀でている彼女は、こういう事にかけては頼もしい。 「これは、価値なし、これも、こっちは、そこそこ……この書物、凄く高値で売れますよ。うげ、このマントは、どうしようかな」  僕には物を見る才能が無いから羨ましい。  バーゲン品を見定めるように、楽し気に鑑定を続けている。 「わぁ、このブーツは、売り物にならないけど良い品です。彗星のブーツ、履くとテンションが上がって速度が三倍になるけど三倍疲れるレアアイテム」 『テリリリッティティーン♪』  朝食最後の一口でレベルアップ。 「良い物、沢山ありました。レス兄ありがとう、学校へ行くついでに売れるものは売ってきます」 「うん」  食事の後片付けまで、してくれる出来た妹。  家事全般を任せきりで申し訳ないが、兄は家事、できない無精者なのだよ、すまん。皿洗いでは確実に皿を割るだろうし、掃除をすれば余計に汚すし、テヘペロするしかない兄を許しておくれ。 「バーン!」  妹との団欒をぶち壊す、無粋なドアの開け方、アイツらだ。
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