勇者LV.3

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 自分の中で、一回ハンマーを振るう、と考えただけで、既に五回攻撃している。  この系統の強化魔法が得意な人の中には、一度の行動で、十回以上自動攻撃ができる人もいるらしい。恐ろしく効果的な魔法だけど、僕は苦手なんだよね。  魔法の効果が切れた途端、筋肉痛みたいな感じになってしまうから。  それでも威力は絶大、一撃一撃の攻撃力は、本気の一撃の五割程度になるが、それでも連打の数を掛けると二倍以上の攻撃力。  骸骨は、火花を散らして体積を減らして行く。  足元を砕いているタイミングで、頭蓋骨は側頭部に小さな羽根を生やした。  逃げようとして、首の骨から離脱して、天井へ。  すかさずブーメランを投げた。が、目から発射された赤い光線に落とされた。  ブーメランは気を反らす為のフェイクなんだよ。  既に天井まで飛び上がっていた僕は、頭蓋骨に向けてハンマーを振り下ろした。 「コーン!」  硬度の高い音が、響く。
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