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気休めの回復薬を一口含みながら汗を拭う。
あと少しでこの旅も終わる。ん、そうじゃ、ないな。この魔王城は、イレギュラーなイベントで、本来の目的の前菜に過ぎない。さっさと片付けて本題に入りたい。
溜息をを吐き切った後、顔を上げる。
そこには、背に光を浴びながらお互いの健闘を称えう、二人の女神の姿があった。
「なかなか、良い運動が出来ましたわ」
清々しい笑顔のホーリーさんは、汗一つかいていない。
「そうですね、寝起きのウォーミングアップにはちょうど良かったです」
「ま、マルアさん? あなたは……」
少々息を切らしたマルアさん。
ん? マルアさん?
それは、素顔、ですか?
もどかしい事に、ちょうど逆光になっていて、よくは、わからないが、凄く身近に居る誰かと似ている。そんな気がした。
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