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これは現実なのか?
一推しのデンコちゃんが、今目の前に居る。それどころか、一日、一緒に旅をしていたなんて。確かに、誰かに居ていると思っていたし、握手会の時に嗅いだ臭いによく似てるし、わざとらしい低音の不自然さもあった。
でも気付かなかったよ。
ドッキリか、何かの企画か? スタッフとかいたりするのか?
そんな事はないか。
「あ、ああ、ああああ、ああ……」
なんか、てんぱった。ああもう、ヤバい奴と思われる。
「ごめんなさい。騙すつもりは無かったの」
ばつが悪そうな苦い笑顔で、こちらを見るデンコちゃん。
「うちの実家が、凶神デアゴズバズドスガドレアズの軍勢に襲われて、勇者村に助けを求めに行ったのですが、勇者村を代表するレスタリオス・アクセリオン様は、私の推しメン。色々問題もありそうだったので、仮面を被らせていただきました」
「あああ、あああ、そそそそ、そうなんですか」
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