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「騙すつもりは、ありませんでした。これからも、お願いできますか?」
「は、はい、よろしく、です」
アイドルから握手を求められた。こんな事があるなんて、勇者やっってて良かったよ。勇者に生まれて良かったよ。お父さん、お母さんありがとう。
「あの、大変な事になっているみたいです」
外を眺めていたホーリーさんは分かりやすい驚愕の顔で振り向いた。
窓から見える煙の方向には、街がある。
騎士団や勇者の集団が、、凶神デアゴズバズドスガドレアズの城へ向かっている筈なのに、既に街が攻撃を受けている。急がなければ。
「行きましょう」
デンコちゃんにサインを貰いたいところだが、ここはヲタ心を押さえて、先へ進む。
今までで一番長い螺旋階段を全速力で駆け上る、ここまで来ると、余計な仕掛けも無く、飾り物程度の雑魚がチクチク、突いてくる程度。グルリグルリと、階段を上り切ると、巨人サイズの両開きの扉が待ち受けていた。
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