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王座の両脇には、威圧感を持つ牙やら角を生やした巨人がそびえ立つ。
二体の巨人は床の大理石と同じように光沢のある美白。
無駄な筋骨隆々さを見せ付けるようなポーズで、ハンマーを構えている。
顔は目も鼻も無く、大きな口が顔の大半を占めている。その口は厭らしく笑っているような形。人間の倍以上の数、鮫のような尖った歯列を剥きだし。スライムのような粘度の高い涎が、歯の隙間から垂れていた。
キュッと言う大理石の地面を擦る音。
我らが切り込み隊長ホーリーさんが、何の躊躇いもなく王座に突っ込む。
すかさず、巨人が反応。瞬間移動レベルの速度で、ブロックする。そのまま、壁際まで、ホーリーさんを押し込んでいる。
すかさず、もう一体がデンコちゃん? マルアさんを連れて行く。
一人余裕の王座のローブは、足を組み替えた後、呪文の詠唱を始めた。
魔王なのに、台詞を吐かずに、いきなり攻撃。
世界の理から放たれた魔王か、こいつは、厄介だ。
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