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「あっ!」
彼女の頭のてっぺんに、見覚えのあるプロペラを見つけた。
記憶力の無い僕でも覚えている。
それは昨日倒した魔王と同じようなプロペラ。
頭上数センチで、見えない感触。
ハンマーの一振りは、恐ろしく強固なバリアーに弾かれ粉々に。僕自身も、天井に叩き付けられた。無粋なタイミングでの攻撃を弾く魔法か、数億回使用しても壊れ無いと言われる、高レベルの武器を砕く程の威力、素手で殴ってたら、捻挫では済まなかっただろう。
そのバリアーが空気が割れる音と共に弾けた。
魔王女は、巨大化している。筋肉質で、硬そうな鱗の皮膚、太い尻尾、この空間では役に立たなさそうな羽根、プロペラは、狂気じみた鋭い金属の刃に変化している。
顔は、凶悪な悪魔そのもの、肌の露出が大きな衣装だが、セクシーさは皆無。
「私は父のように甘くは無いぞ、アクセリ…」
余計なセリフを言うのは魔王の血筋が故か。
僕はセリフの途中で切りかかった。
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