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「レス兄を、よろしくお願いします」
「おう、任せとけアリエストちゃん!」
可愛い妹に見送られて、僕は旅に出る。馬鹿な大男と露出狂気味の女と共に。
「私、学校に行くから、レス兄、ゴミ出しお願いしますね。燃えないゴミも」
「ああ」
「アリエストちゃん、いってらっしゃ~い」
今日は隣町アルベルバルトで社会見学あると言ってたな。妹頑張れ。
それにしてもアポロ・グラフィティは、うっとおしい。
妹に色目を使いやがって。
そんなゴツゴツの鎧で、大剣を背負った中二病患者に妹はやらん!
「ソンクも連れてくんだよな」
「ええ、彼が道案内もしてくれるって」
「ほお、妖精だから、あっち側に詳しいのか」
「たぶんそうだと思う」
ソンクとは、ソンンクルトン・ペック。妖精と人間とのハーフ勇者。色白で、鼻が高くて、常に緑色の服を着ている真面目な男。年齢は不明だが、自称14歳。
人の事は言えないが、ちょっと変わった奴だ。
ちなみに、メリッサとアポロも勇者だ。
むしろ、このブレイブ村のほぼ全員が勇者。
100人前後の村人の8割が勇者だ。
でも専業で勇者をしている者はそんなに多くない。
農家勇者、教員勇者、肉屋勇者、パン屋勇者、その他色んな兼業勇者がいる。
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