勇者LV.3

138/152
前へ
/228ページ
次へ
 高速化呪文を使った後、わざと、スピードを落として、派手なリアクション。そのまま部屋の真ん中に、転げ込んで一言。 「あ、あのぉ、素敵な御召し物ですね」  大魔王女とは言え、女性は女性。そんな彼女に対して何をどう言っていいのか分からなかった。でも、一瞬の隙を作りだす事は出来た。  僕が大魔王女を翻弄しているうちに、ホーリーさんはその背後に回った。  ホーリーさんは、最大級の火力をぶつける。  剣から放たれる眩い光線が、大魔王女の背中に照射された。 「あうっ!」  虫刺されに反応するくらいのリアクションで、手で背中を掻く。  この隙を見逃さない。  高速化した動きで彼女に急接近。ペンダントを引き千切った。  すかさず、目に向けて勇者フラッシュ!  一瞬閃光を放つだけでダメージ0の低レベル魔法だが、詠唱も無く使える。
/228ページ

最初のコメントを投稿しよう!

97人が本棚に入れています
本棚に追加