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「出せよ! レスタリオン!」
何で名前を知っているのか分からないが、何か見覚えが無くは無い。
小さい時に、あった事があるような、無いような。
「出せって、どうすればいいんですか?」
「何でもいいから、ぶっ壊して、ああ、そのツルハシなら壊せると思うよ!」
「はい」
大魔王女と、僕達三人の激しい攻防の中、完全に独り言状態になっている僕を、マルアさんは不安げに見ていた。
「あ、いや、これは違うんです」
おかしな人、と言うレッテルを貼られないように、言い分けしようとしたが、余裕はない。白い巨人の残骸を吸収して、大魔王女は一回り大きくなっている。
「早くしろよレスタリオン!」
「はいはい、分かりましたよ!」
ツルハシを振り下ろすまで、何も考えていなかった。
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