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「いや、レスタリオス・アクセリオン、ありがとう、礼を言っておく」
「は、はい」
チビッ子の甲高い声にビビる男。やはり、かすかではあるが彼女に見覚えがある。
でも、僕がずいぶん小さな頃に見た記憶だから……。
瞬きしている間に、彼女は装備を整えていた。
超レア級であろう一品物を、どこからともなく召喚している。
女子が着るシンプルな学校の制服、その上にオーラを纏った紫のマント。両手に握られているのは、金属製だと思われる異世界の小型射撃武器のようだ。
その場に居る全員が、時を止めている中で、武器を構える。
「魔王? 女? 様、か。ずいぶんお世話になりました。アンタの一族に封じられて、かれこれ何年だ? まあいい、とにかく、色々礼を言わせてもらうよクソ魔王女!」
破裂音と同時に、両手の武器から放たれた光の弾が、一直線に走る。
大魔王女は、両腕で顔面をカバーしたが、弾丸は容赦なくそれを貫いた。
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