勇者LV.3

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 小さな弾が太い腕の皮膚に触れた瞬間、そこから細胞が破裂、腕全体が壊れていく。大魔王女は、腕を捨て、そのまま後方へ逃れる。  少女は、僕達が最大出力で攻撃しても、まともなダメージを与えられなかった相手に対し、いとも簡単に致命傷を与えている。 「パパパパンッ」  追い打ちをかけるように銃弾が降り注ぐ。 「デカいくせに、ちょこまかとぉ、うっとおしいっ!」  手にした二丁の小型射撃武器を放り投げると、それは細かい部品に分解された。  それから、どこからともなく現れた金属製の部品とガシャガシャと組み合わされて、巨大な筒のような物が二本、作り上げられた。  なかなかの重量がありそうな巨大な筒を二本も担いで、走る。  しかも先程とは明らかに違う高速な動作スピード。詠唱も何もなしで、強化魔法を行使しているようだ。
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