97人が本棚に入れています
本棚に追加
大魔王女は、腕も、頭も無く体に大穴の開いた状態で、その表面は炭化している。無論、動く気配はない。この状況から、肉体を再生できるとしたら、どうやって倒せばいいのだろうか。
「大魔王女、名前は何だったかな? プロペラス一族もこれで最期か。生き残っていても、根絶やしにしてやる。まあ、しかし、私を魔道具の中に閉じ込めたまでは、褒めてやる。使い方が甘かったな」
「ナナセ、ナナセ・トリプルセブン様、ですよね」
「うむ、いかにも」
マルアさんの、乙女な声に、恐ろしい程のどや顔で、ふんぞり返る少女。
ああ、聞いた事ある、ナナセ・トリプルセブン。ナナセおばさん。
あっ、おばさん、なんて言ったら殴られる。
甦った記憶と同じ容姿、随分前と変わらない。
そもそも歳をとらないのか、封じられていたからそうなのか、見た目も声もは子供そのものだ。
マルアさんとホーリーさんが、ナナセさんにワーキャーと嬉しそうに話している。なんなら、感極まって泣き出しそうな雰囲気がある。
ナナセさんは、この世界に、アイドルと言うシステムを持ち込んだ人物だから、それも無理はない。マルアさんは現役のアイドルだし、ホーリーさんはドルヲタでもある。
最初のコメントを投稿しよう!