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二歩三歩、走ったところで転げたナナセさんの襟首を捕まえ、脇に抱えた。
猛ダッシュで、坑道の入り口へ向けて走る。
鉄の扉までは、ほんの数秒で到着。
しかし、扉は開かない。突然できた魔王城のせいで立て付けが悪くなったのか、ピクリとも動かない。いや、きっと妹の掛けた保護呪文のせいだろう。何か異常事態が発生した場合は、絶対的なロックがかかってしまう。
そんな、鉄壁の扉を前に、後ろからは、破壊の轟音が迫っていた。
皆の攻撃でも、ビクともしない強固な作りである。
物理的にも相当の物ではあるが、恐ろしいのは妹の保護魔法。最強クラスの破壊技でも、傷ついていない。
僕はナナセさんを脇に抱えたままで、気を高めた。
なんだかんだで残された唯一の武器、ソードブレイカーに、気力を集中させると、それは一瞬で赤熱した。扉に向けて全力で一振りする。
妹の鉄壁VS兄の意地。
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