勇者LV.1

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 馬を留めて、道具屋を覗く。  店員、いつもの人じゃなくて可愛い。 「いらっしゃいませ……レス兄、何です、その恰好は!」 「あ、いや、そ」  やたらと可愛い店員さんだと思ったら、うちの妹アリエスト・アクセリオンでした。 「マント、ドロドロじゃない。それ、かなりのレアアイテムなのよ」 「そうなの?」 「そのマントは、防御力は、そこそこの鎧並みだし、ちょっとだけ空を飛べるし、姿もちょっと消せたり、他にも中途半端な効果があるのよ」 「へ、全然効果ないけど……」 「それはそうよ、裏返しに着てるから」  やっぱり、この今裏にしている虎柄が表なんだ。  ですよね、デザイン的に地味なフワフワな方が裏地ですよね。 「アイテム、買うんでしょ」 「うん、回復アイテム、これで見積もって」 「あら、大金。じゃあ、待ってて」  店の奥で、店員さんと話し合っている。身振り手振り、しっかり者の妹は、可愛さと言う武器を使いつつ、店員さんと自分のペースに持ち込んで割引交渉やらオマケを付けてとか。  僕と違って人との関わり合いが上手い。
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