勇者LV.2

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「すみません」  僕の小さな声に、一瞬首を傾げたようなマルテイシア。  次の言葉が出るまで五秒はかかってしまったと思う。 「ちょっと待って、いたたた、いただけますか」  仮面越しでも分かる疑問的な顔に、不格好な笑顔を返して作業を始める。  ゾンビ軍団の残した戦利品を見て回る。  召喚士ゾンビはろくなアイテムを残していない。豪華な衣装は、使い物にならないくらい汚れが激しいし、あまり金目の物は持っていない。  魔法のナイフと、現金少量、とりあえず指輪は頂いておこう。  当然だが、戦場に高価な品を持ち込む奴はあまりいない。  戦闘の為に現れるモンスターは稀にレアな武器を持っていたりするが、金品貴重品を持って、現れることは、ほとんどない。  とは言え、この数。小銭とまあまあの武器は確保できた。  戦った時間より、後始末に時間がかかっている。  疲労も作業の方が大きいかもしれない。
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