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しばらく馬を走らせた後、並走しろ、と言う指示で横に付けた。
馬上で話しかけられる。低音だが、良く通る声が響く。
凶神デアゴズバズドスガドレアズについて語られた。
考えてみたら、凶神についての情報をほとんど知らなかった。
事の発端は二週間前。スペリグア近郊に忽然と現れた巨大な魔王城。
ドゥルウィン帝国の帝都であるスベリグアの周囲には、当然ながら超超高度な結界が張られており、その領域で邪悪な存在が発生する事はありえない。
それにもかかわらず、大地を唸らせる地響きと共に突如現れた魔王城。
ドゥルウィン皇帝が居を構える、空中城ブリュレリオスより遥かに巨大、周りの山々と並び立つ程の規模だそうだ。
ドゥルウィン皇帝は即日、調査を命じたが、帰ってきたのは一人。
帰還者は、息も絶え絶えの状態で、皇帝へ報告。
「デアゴズバズドスガドレアズの靴を舐めるか、滅びるか、選べ」
と言葉を発した後、巨大なモンスターと化した。
近衛兵によってモンスターは瞬殺されたそうだが、それ以降、若き皇帝ドゥルウィンは、自室に引き籠もり、だそうで。まあ、まだ八歳だか九歳の子供だもんな。そりゃビビりますよ、トラウマになりますよ、引き籠もりますよ。
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