勇者LV.2

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 近隣諸国のデータではあるが前年度の、3273件に対して、本年度は中間期で既に5000件以上。勇者需要は圧倒的勢いで増えている。  僕たち勇者は常時労働超過、それで、俺、勇者だからと言う理由なき理由で、回復薬多量投与で無理やり頑張る者も少なくない。  オーバーブレイブと呼ばれる低品質回復薬による、精神的肉体的な慢性疲労と魔法、秘技の使用不能状態が、社会問題視されている。  僕は、腐った回復薬は飲んでしまうけど、それ以外は妹の選別してくれた高品質な回復薬か、薬草しか使わないようにしている。  回復魔法も使い過ぎると、それなりの後遺症があるとも言われているので、出来るだけ自然治癒で頑張りたいのだが、僕の場合、なかなか休養が取れないので困る。 「あの辺りで少し、休みませんか?」 「……はい」  女性から、休みませんか、などと言われるとちょっと勘違いしそうだが、僕の腐汁まみれの装備を考えると、そんな気持ちにはならない。  昼を過ぎてしばらく、お腹の方も空いてきたし、馬に乗って尻も痛いし、トイレも行きたいし、なんだか眠たくなってきたし、休息は必要だな。  直ぐに見えてきた、小さな橋の傍に馬を留めた。  川下に歩きながら枯れ木やは枯れ葉を集める。  火打石で火を起こし、大き目の焚火を二つ用意した。
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