勇者LV.3

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 山道じゃないルート、ザナッド洞窟は有料だけど、それほど大金ではない。むしろ安全が確保されている上に、距離も短いから、普段は、もちろんザナッド洞窟ルートを選ぶ。  今回は、山を抜ける事が目的ではなく、山中のクリスティニアン坑道へ向かい、そこでレベルを上げるのが目的だから、険しい山道を行く。  いつもならば、ちょこちょこっと坑道でレベルを上げて、眠たくなる前に魔王を倒すパターンだけど、今回は、ちょこちょこって感じでは無理っぽい。  がっつり本気でレベルを上げて凶神デアゴズバズドスガドレアズを倒す。  他のどこかの勇者が倒していなければ、だけど。  相変わらずの曇り空。  こんな状況じゃ無ければ、山に登るべきではない。  山の天気は変わりやすい。曇り空からの、急な土砂降りならまだましだが、雹が降ったり、雷鳴が轟いたり、ほら、おっさんの団体に出会ったり。 「おぉい、命と金、どっちが欲しい?」  分り易い髭もじゃの団体。  斧を持っている者もいるが、気さくな木こりには見えない。  無駄に筋骨隆々で、山登りやハイキングにしては軽装。  謎の大きな袋を引き摺っているが、中身は見たくないな。 「おおぃ。おぉおぃ」
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