勇者LV.3

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 食事、運動、疲労。と来ると、眠くなる。  こんな所で寝るわけにはいかない。  気付け薬を一本飲んで、耐え忍ぶ。  うつらうつらとした、状況で、冷たい雨粒が鼻を濡らした。 「急ぎましょう」 「はい」  慎重ではあるが、出来るだけ速度を上げて、さらに山を登る。  そろそろ日も暮れようとする頃に、目的地に辿り着いた。  クリスティニアン坑道。  二十年ほど前までは現役で採掘されていた坑道らしい。  全盛期には、銅や鉄鉱石、水晶がわんさか採れたとか。  今は完全に廃坑と化して、主にモンスターの寝床になっている。 「馬は、ここへ止めておきましょう」 「はい」  坑道が現役だった頃からある馬小屋は、坑道内部よりは安全。  凶暴な動物がいないわけでは無いが、最悪の事態を考えて、馬が逃げられるよう、綱は括らないようにしておこう。
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