97人が本棚に入れています
本棚に追加
/228ページ
食事、運動、疲労。と来ると、眠くなる。
こんな所で寝るわけにはいかない。
気付け薬を一本飲んで、耐え忍ぶ。
うつらうつらとした、状況で、冷たい雨粒が鼻を濡らした。
「急ぎましょう」
「はい」
慎重ではあるが、出来るだけ速度を上げて、さらに山を登る。
そろそろ日も暮れようとする頃に、目的地に辿り着いた。
クリスティニアン坑道。
二十年ほど前までは現役で採掘されていた坑道らしい。
全盛期には、銅や鉄鉱石、水晶がわんさか採れたとか。
今は完全に廃坑と化して、主にモンスターの寝床になっている。
「馬は、ここへ止めておきましょう」
「はい」
坑道が現役だった頃からある馬小屋は、坑道内部よりは安全。
凶暴な動物がいないわけでは無いが、最悪の事態を考えて、馬が逃げられるよう、綱は括らないようにしておこう。
最初のコメントを投稿しよう!