97人が本棚に入れています
本棚に追加
/228ページ
岩にめり込んだ太い樫の木の支え。
そんな事しなくても崩れそうにないような強固な岩盤の奥に横穴が続く。
坑道の入り口には扉が無い。
その代わりに目に見えない、強固な壁がそれを塞いでいる。
「封者、アリエスト・アクセリオン……めっちゃ可愛い女の子、あ」
呪文間違えた。
「封者、アリエスト・アクセリオン、めっちゃ可愛い過ぎる女子の名の元に、見えざる扉を開け、我らを通せ、オープンサ、ササミー」
ゴンって、頭痛いっ。あれ、シールド解除出来てない。
「あの、開封呪文ですよね」
「はい、そうなんですけど」
「最後、ササミじゃなくてセサミーじゃないですか?」
「あ、ああ、あ、そう、そうですね」
あれ、ササミって言った? ホント? まあいいいや。
「封者、アリエスト・アクセリオン、めっちゃ可愛い過ぎる女子の名の元に、見えざる扉を開け、我らを通せ、オープンセサミー!」
バリアの破れる高音が響く。おお、今度は頭打たない。
振り向いて、苦笑いしながら、頭を掻いた。
最初のコメントを投稿しよう!