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彼女を始めて家に呼ぶ時のドキドキとはこんな感じ、なのかもしれない。
今いるのは、完璧な鎧と、両手に剣を装備する、仮面の女子ですけど。
どうでも良い事を考えながら、火を起こし、湯を沸かす。
両腕を大きく伸ばして欠伸をする。
「あ、お爺ちゃん」
忘れていた、お爺ちゃんの遺品に一礼。
かつて偉大な勇者だったとされるお爺ちゃん、ガロス・アクセリオンが残した武器防具や道具が眠っている。お爺ちゃんは伝説中の伝説の勇者だ。
世界を恐怖のどん底に陥れた、超凶神級の魔神を屠った六第勇者の一人という事で名高い人物。レベルは400を超えていたそうだが、ある日忽然と姿を消したらしい。
死んだかどうかは分からないが、父が自らの装備と共に、ここにお爺ちゃんの残したアイテムを保管した。
妹の素晴らしい能力により、これらのアイテムはどういった効果があるか、どれくらいの価値があるか、使用方法はどうなのか等々詳細に把握はしているが、もったいなくて使っていない。
武器なんて、普通の武器で十分だし、防具も今装備している物で十分。と言いたいところだが、靴だけは履き替えておこうかな。やっぱりサイズが合わなくて靴擦れが酷い。魔法の効果も、出せなくなって使用済み状態だし。
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