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「……。……」
まったく会話が思いつかない。
作業する振りをしながら、しばらく会話のネタを考える。
「ふう、美味しかったです」
えっもう飲んだの? もっと量を多くしとけばよかった。
「そろそろ行きましょうか」
言っちゃった。
「はい、分かりました。お供いたします」
もう行くしかない。余計な荷物は置いて、補助の武器は持ったから準備は終わっているけど。心の準備は、まだ出来ていない。
思わず出そうになった、ため息を押し殺す。
広間の奥にある鉄扉を開けると、そこはモンスターの巣窟。
ンギィィ。
と言う、錆びついた音を押しのけると、そこは真っ暗な世界。
「私の魔法、使いましょうか?」
特に考えず、マルテイシアさんの言葉に頷いた。
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