勇者LV.3

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 それでも彼女の指し示す横穴へ歩いてゆくと感じられた気配。  これはヤバイ。  ドッドドドドドッ。  しまった、と思った時には、既に時すでに遅し。  巨大な塊が僕に体当たり、身構える隙も無く天高く跳ね飛ばされた。  しかもダメージは少なくない。  多大な重量と加速、だけならまだしも、硬い天井からの背中へのダメージ。そこから落ちて、受け身をしそこなえばさらに追加のダメージ。  しかしなんだアイツ、水晶の巨人か、ここでは、始めて見た  それ以上に、あの超重量の突進を細身の剣で受け止めているマルテイシアさんが、素敵すぎる。巨大なモンスターの太い四本腕の荒く打ち付ける拳を、彼女は高速の剣の動きで捌きながら、ダメージを与え着実に相手の体力を削っている。  僕もいつまでも天井にしがみ付いている訳にもいかない。  開拓者のツルハシ、この黄金の輝きを放つ伝説のツルハシで砕いてやる。 「とうっ!」  天井から飛び降り重力加速度を加えた一撃。
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