勇者LV.3

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 無理をして迷惑をかけるのが一番まずいが、いざとなれば逃げればいい。幸いここは、坑道なので逃げ道には事欠かない。逃げた先にもモンスターはいるかも知れないが、こいつらほどのモンスターはなかなかいない。 「油断すると、大怪我じゃ済まないかも」 「ええ、今の僕のレベルでは特に、命取りです。あっ」 「どうかしましたか?」 「あ、いえ」  ヤバイ、今死ぬと、また勇者村からスタートになる。  休憩場所でセーブ魔法を使い忘れていた。  任意の場所でセーブ魔法を使っていれば、死んだ後、そこで復活する。  ここに来る前に、既に使用可能になっていたのに、浮かれていた。女子と二人旅であるという事に浮かれていた。ここは、是が非でも死ぬわけにはいかない。  重い一撃、が連続で三撃。  ツルハシで受け止めるが、硬い地面に着いた踵が響く。  こちらは、ツルハシ一本、相手は武器六本。スピードはこちらが上だが、六倍の速度で動けるわけはない。一旦間合いを取って、魔法で筋力強化と加速をする。
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