勇者LV.3

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 まるで、氷を削るでもあるかのようにザクザクと水晶を削る。  彼女の剣が特別な物である事は間違いないが、それ以上に技量が特別。村にいる勇者達の中でも、あれ程の技を、連続で繰り出せる者は、そう多くない。  細身の剣とは思えない一撃の破壊力、それに加え恐ろしいまでのスピード。  なんて頼もしいお方、などと考えている暇はない。  奥の方からまた気配を感じる。 「マルアさん、一旦退きましょう」 「え、あ、は、はい」  当然まだいける感じのマルテイシアさんからすれば何で? だろう。  しかし、重要なミスを犯している今、この隙に戻らねばならないのです。  全速力で後退、鉄の扉を閉めて封印する。 「すいませんセーブ魔法を忘れていました」 「そうでしたか」 「死んでしまうと家からスタートになるので、ここでセーブを」 「はい、セーブ魔法ですね」  セーブ魔法を詠唱すると、光の旗が現れ地面に埋まっていった。  次に死んだ時は、この場所に復活する。
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