97人が本棚に入れています
本棚に追加
まるで、氷を削るでもあるかのようにザクザクと水晶を削る。
彼女の剣が特別な物である事は間違いないが、それ以上に技量が特別。村にいる勇者達の中でも、あれ程の技を、連続で繰り出せる者は、そう多くない。
細身の剣とは思えない一撃の破壊力、それに加え恐ろしいまでのスピード。
なんて頼もしいお方、などと考えている暇はない。
奥の方からまた気配を感じる。
「マルアさん、一旦退きましょう」
「え、あ、は、はい」
当然まだいける感じのマルテイシアさんからすれば何で? だろう。
しかし、重要なミスを犯している今、この隙に戻らねばならないのです。
全速力で後退、鉄の扉を閉めて封印する。
「すいませんセーブ魔法を忘れていました」
「そうでしたか」
「死んでしまうと家からスタートになるので、ここでセーブを」
「はい、セーブ魔法ですね」
セーブ魔法を詠唱すると、光の旗が現れ地面に埋まっていった。
次に死んだ時は、この場所に復活する。
最初のコメントを投稿しよう!