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コンコンというノック音が、自室で本を読んでいたレオンの耳へと入る。
「レオン様、準備が完了しました」
ノック音の後から聞こえてきたのは、クロードの声。
レオンは本と掛けていた眼鏡を置き、自室を出てクロードの元へと駆け寄った。
「あぁ。では行くか」
レオンは魔王を目指している鬼の悪魔である。
それも名の知れた悪魔で、どんな敵にでも怯むことなく立ち向かう彼の姿に『憧れ』を持つ悪魔も多く、レオンは尊敬の名を交えて『魔神レオン』と呼ばれている。
一方のクロードは『魔神に仕える参謀』と影でひっそりと呼ばれており、主に情報を得ながら作戦を考えるのが彼の仕事だ。
そんなクロードは誰よりもレオンを慕っており、家来兼執事としてレオンの元にいる。
レオンもクロードがお気に入りのようで、どこかへ出かけるときはいつもクロードを連れて行く。相思相愛。まさに理想的な主従関係の二人である。
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