Ⅰ 人間と悪魔のハーフ

7/31
前へ
/94ページ
次へ
レオンはメイドに手を伸ばすと、メイドはビクリと肩を震わせ、目の強く瞑った。 「そんなにビビらなくても良いだろう。俺は怒ってはいないぞ」 レオンが発した声は優しかった。メイドが目を開けると、ふわりと頭に感触があった。 レオンに頭を撫でられていたのだ。 メイドは『有り難き幸せです』というと、その場を去っていった。 それを見て、気に入らなかったのか、クロードが小言を吐く。 「あんな下級のメイドに優しくする必要はありませんよ」 「ふむ。しかし、俺のために働いたのならきちんと褒めてやらなければな」 「レオン様は飴と鞭の飴しか無いでしょう」 怒り気味に吐き捨てた言葉と同時に、クロードの表情は曇った。 恐る恐る横にいるレオンを見ると、ムスッとした表情を浮かべていた。
/94ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加