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レオンはメイドに手を伸ばすと、メイドはビクリと肩を震わせ、目の強く瞑った。
「そんなにビビらなくても良いだろう。俺は怒ってはいないぞ」
レオンが発した声は優しかった。メイドが目を開けると、ふわりと頭に感触があった。
レオンに頭を撫でられていたのだ。
メイドは『有り難き幸せです』というと、その場を去っていった。
それを見て、気に入らなかったのか、クロードが小言を吐く。
「あんな下級のメイドに優しくする必要はありませんよ」
「ふむ。しかし、俺のために働いたのならきちんと褒めてやらなければな」
「レオン様は飴と鞭の飴しか無いでしょう」
怒り気味に吐き捨てた言葉と同時に、クロードの表情は曇った。
恐る恐る横にいるレオンを見ると、ムスッとした表情を浮かべていた。
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