紅葉
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祖父は真っ赤に濡れた棒のようなものをもっている。棒からは紅葉が滴っていた。 ミーンミンミンミンミーン 今年初めてのセミの鳴き声が聞こえた。 「あれは、紅葉だ」 祖父の顔からも紅葉が滴っていた。 僕の記憶はそこまでで途切れている。
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