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点と点を結ぶ赤い糸を描こうと、薄いカミソリの刃で白い肌を傷付ける。見えない傷からいくつもの玉のような深紅の血が溢れ、その濃い香りに眩暈がした。
人と人を結ぶ赤い糸を想いながら、私にはやはり彼しかいないのだと確信して喜び、同時にうちひしがれた。一刻も速く、この身を土に還して魂の世界に行きたい。
あなたが居ない世界には心安らぐ場所なんてない。もう二度と、あの日々は戻らない。
いっそ死んだら、ラクになるかな―――。
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