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第1章
星は光っていた。
そしてこんな事を考えていた。
あのだめリーマンに彼女をつくってやりたい☆
佐伯 勤は今日も会社に行くと上司にダメ出しされた。
先月の営業の成果についてだ。
上司の言い分はこうだった。「お前ができない人間なのはよく分かっている。でも同期の時田が先月5件取れたのにお前が2件なのはどういうことだ。たるんでいるとしか言いようがない。大体お前のやり方を見ているといつも要領が悪いとしか言えない。どうして、嘘はつかなくてもいいが、無理やり客に売るという事ができないんだ。もういい席につけ!
」
勤は一生懸命営業しているが同期の時田のように客に、手八丁口八丁のようにまくしたてることができないでいた。
今年で30歳。給料は450万足らず。転職しようにも営業経験しかなく、営業職でも実績がなかった。また今のままでやめて悔いが残るというのもある。勤は人生の立ち往生だった。
4月新入社員が入ってきた勤の部署にも2名入ってきた。
そいつらが受付で入ってきた神野 星月(かみの ほしか)が死ぬほど美少女だと噂していた。
帰りに時田と神野 星月を見に行った。人がごった返していた。ちらっと見た女の子は
前髪がふわっとした長い綺麗な髪の毛だけ見えた。それから非常に高い声が聞こえてきた。
「みなさん、私なんかに話しかけてくださってありがとうございます。まだ新入社員一日目ですがみなさんに支えられてこれから会社の窓口である受付の仕事をまっとうしていこうと思います。これから頑張りますのでよろしくお願い致します。」その時少し茶色がかった大きな黒目が(目に星が入っているのが勤にははっきり見えた。)勤と目が合った。星月の目だった。その目には勤と目があった瞬間驚きのような尊敬のような光があった。
一瞬の不思議な出来事は人の波にかき消されていった。
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