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そうして始まった大学生活は、高校以上の地獄だった。
奨学生として入学しても一年ごとに審査があったため、周囲のバカのように下らない遊びに耽る暇はなかった。各授業には一度の欠席も許されず、当然ながら代理出席を頼むような友人もいない。
高校以上に専門的かつ多岐に渡る分野で好成績を修めるためには、これまでとは比較にならない量の勉強が必要であり、時間的余裕は常にない状態であった。
おまけに、案の定クズが俺と恋人が在学していることを聞きつけ、入学早々から会いに来るようになったことも事態を悪化させた。
正直な話、こんなクズとは話したくもないのだが、そもそもの目的がこいつの監視である以上は目を離すわけにはいかず、貴重な時間を割いて度々勉強の息抜きと称して恋人と一緒に飲み会やら遊びにやら付き合わされた。
しかも、その度に同席した連中にいかに俺が可哀想であるか、無様にあがいているかを説明し、そんな奴とも友達をする自分がいかに素晴らしいかのダシに使われた。
おまけに同席した恋人は早くも懐柔されたのか、そんなことはないとあのクズを庇う始末であり、ますます目を離せなくなる悪循環に嵌まってしまった。そうしたストレスで血を吐いたことは一度や二度ではなかった。
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