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♯四  高校進学時、私は岐路に立たされた。  私のサッカー部での功績が評価され、私立の高校からスカウトが来たのだ。前世では漫画でしか見なかった大イベントに喜んだが、ここで問題が起きた。  当然ながら、スカウトされて進学した場合、私立の高校に通うことになる。学費は半分免除の条件が提示されたが、それでも我が家にとってはとてつもない負担には変わらない。  さらに言えば、高校入学と同時に予定していたアルバイトも許可は出なかった。私はサッカーをしに学校に行くのだから、それ以外の活動に時間を使うなど言語道断であるということである。  母や周りの友人たちはそれでもスカウトに乗るべきだと言ってくれた。だが、迷った末に私は地元の公立高校への進学を決意した。  幸い、高校は学力的にも問題なく入学出来るレベルであり、サッカー部もそれなりの規模と強さを誇っていた。ここで無理をしなくとも、アルバイトで家計を助けつつ、上手く結果を残せば一気にプロになれる可能性もある。そう考えての判断であった。  勿体ないとは言ってくれたものの、母は私の判断に最終的には賛成してくれた。それでも、私のいないところで隠れて己の不甲斐なさに涙を流している姿を見てしまい、私はますます決意を新たにした。  二人の幼なじみも同様に、私の意見を尊重してくれた。特に恋人である少女が迷うことなくマネージャーとして部に入り、私を最大限支えると言ってくれた時には思わず涙を漏らした。
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