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「はい、3名ですね。ご要望は?……なるほど……では、5ヶ月後に。」
私は、元々、世に言うブラック企業を経営していた。
派遣会社や飲食・宅配・製造など、手持ちの会社グループは、多岐に渡る。
私は、世の中がブラック企業や社畜に対して厳しくなる中、あえてその流れの逆をいった。
よりブラックを増したのだ。
当然、社員は辞めていく。
「そうか、辞めてしまうのか……君はいい逸材だったのに。」
訴えようとする社員も現れる。
「辞めてしまうのは惜しいが、退職はこちら側の都合ということで退職金も倍の額用意しよう。……何なら、君のこれまでのスキルを活かせるように競合企業のA社への転職を口利きしてもいい。」
たいていは、これでキリがつく。
訴えて個人が得られるよりも倍以上の額が手に入り、会社都合とすることで履歴書にも傷は付かず、ブラック企業に耐え兼ねて突発的に辞めるときに次の就職先も提示されるのだから。
それで成り立つのかって?
成り立っているから、続いている。
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