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手短に要件を伝えるとおっさんに連れられて神像の元に連れられる。
軽くおっさんに目配せをすると、頷いたので早速ではあるが儀式に取り掛かるとしよう。
以前から教えられてきた祈りの所作。 神像の元に跪き、赦しを請うかのように頭を下げる。
手順は簡単だ、祈って神様を呼び出し、宣誓を行い、神様からもらう聖餐を食べる。 そんなことで異能力が使えるようになるのだ。
聖餐というのは、神が信者に差し出す食物であり、その神の力を込められた食物を食すことによって契約が成立する。
「神よ、光を生み、光を統べ、光と共にある神よ。
その僕たる、このレイヴ=アーテルに宣誓の機会を与え給え」
俺は習った通りに儀礼の言葉を発する。
そういえば、なんて誓うか決めていなかった。 どうしよう、誓いの強さ、厳しさによって使える異能力の強さが変わるというのに。
そんな焦りは一瞬で消えた。
『断る』
「えっ、今日、聖餐もらうからと思ってお昼ごはん抜いてきたんだけど。
頼むから食べさせてッス」
『断る』
「なんで……?」
『悪趣味な神と契約してどうするつもりだ。 帰れ』
聞いていたらしい。 神様というのに器が小さい。
「…………」
『…………』
「…………うわーん! お前の加護なんて欲しくないッスよー!!」
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