第1部:カラスと冒険の始まり

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 可愛らしい聖女様の写真を見て、息を吐き出す。 おそらく明日の日刊にも同じような内容が書かれるだろうが、使われる写真は別の物になる可能性が高い。  この号外は1部は読む用、8部は保存用にして……1部は実用にしよう。  サラサラとした金の長髪に、しっかりとした意思を感じさせる顔つき、子供らしさも残るかんばせは嬉しそうに口角を上げていて可愛らしい。 何より、細身なのにおっぱいがおっぱいおっぱいしている。 男として何か堪らないものがある。  正直な話、俺は聖女様のファンだった。  なんというか、もう堪らない。 超可愛い。 結婚したい。  それにしても、この歳で神様の声を聞くとか、凄いことだ。 もしかしたら神の言葉を聞いた事にすることで、政略的な何かがあるのかもしれないが。  路地裏の人が少ないところに入ってから一部開く。 とっても可愛い……ではなく、内容である。  聖女様の聞いた神の言葉が大きく書かれていた。 『わしの像はもっとグラマーでセクシーにするのじゃ!』  間違いなく水の神(アオイ)様の声が聞こえている。 というか、本当は聞こえていない場合よりも色々と物議が起こりそうである。  大量の号外を持って、鼻歌を歌いながら機嫌良く家に帰った。 ◆◇◆◇◆◇ 「うああああああああああ!!!!」  パチリ、パチリと紙が燃える音が聞こえる。     
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