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「……もっと強いかと」
「ははは。基本魔法頼りだからね」
特別鍛えているわけじゃない拳でも、何とかなるらしい。
「……ああ、なるほど」
よく分からないが、何か理解したらしい。
まあ大方、同じ職場の神なのだろう。
「昔のね。彼は死と運の二つをかけ持つ神様だよ」
かけ持つとかありなのか。
「簡単なことならね。数も多いし」
神様事情があるらしい。
それはともかく。
「なんか空を飛んでないか? 」
「神様だからね。それくらいはできるよ」
「さっきはよくも……! 人間ごときが! 」
「なんか鎌を持ってないか? 」
「死神だからね。それくらいできるよ」
「なんか動けないんだけど? 」
「かけ持ちだよ? それくらい……あれ? ボクも? 」
ゴツゴツの顔で、黒いフードを被ったザ・死神が迫って来る。その手にある鎌を見ると、負けを確信する。
しかし。神様の力は、こっちにもある。
「頼んだぞホグ」
「動けないから無理」
一瞬、何を言ってるのか分からなかった。
しかし、理解する。鎌が目の前に来た時に。
「人類……なめんなぁ! 」
僅かな動きで、生卵を投げつける。すると、首が裂かれるギリギリで止まった。
「何だ、これは……! 」
カタカタと怒りに震える鎌。
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