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「次に。君がもうすぐ死ぬっていうのは、実はボクは関係ないんだ」
「はあ? 」
「人の運命は分かるはずなんだけど、君は今日死ぬってことくらいしか分からないんだ」
「……だから、ここに来た? 」
ホグがウィンクで肯定のサイン。
信じるか、信じないか。その答えは、最初から決まっていた。
「何それ面白そう」
「へ? 」
死ぬのなら、それを全力で回避する。それでも駄目だとしても、面白いことに変わりはない。
つまり何が言いたいのかというと、自分が楽しければ何でも良しの自己中である。
「やるやる。協力する」
「え、あ、うん。ありがと。……んん? 」
何故か納得していないホグだが、これから死ぬかもしれないのだ。準備が必要だ。
まずドライバー。今ポケットに。血付きで。あと、生卵は必須だよね。辛子とか生姜とか。
お借りします。返せないかもだけど。
「よし。さあ行こう。夜の散歩へ! 」
ホグの手を取り、玄関から出る。勿論、鍵はかけた。
ホグの手は、やはり生暖かい。それに、柔らかい。あと、良い匂いが……。
「ホグ……君、女だったのか」
「えっ? ……よく、分かった……ね」
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