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しばらく歩いた先にあるコンビニに、ふたりそろって入店した。
飲み物を買うつもりだったわたし。対してなーちゃんは、お菓子コーナーでスナック菓子を手に取っていた。
「どうしてお菓子?」
「腹が減っては戦はできぬ、って言うでしょ?」
平然と言うなーちゃん。だけどわたしは、はてなマークがとまらない。
「なーちゃん。わたしたち、戦に行くの?」
「違うよ。ウチにとっては、戦だけど」
「……どこに行くの?」
「な・い・しょ」
やっぱり、ないしょ、だ。わたしはなーちゃんを置いて、さっさとお会計を済ませた。お茶が一本、108円。
なーちゃんはどっさり買い込んだみたいで、大きなビニール袋を抱えてコンビニから出てきた。中身はお菓子ばっかり。
「なーちゃんひとりで、こんなに食べきれないよ」
「リリも食べるの」
「それでも、食べきれないよ」
「いいの」
わたしは、変なところで頑固ななーちゃんのことだから、何を言っても折れないだろう。そう思って、口を閉じた。
パンパンに膨れ上がったビニール袋と一緒に、わたしたちはバスに乗り込んだ。
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