現実

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 私は居たたまれなくなり、逃げるように運動公園をあとにした。  家に帰り、一息つく。あれは何だったのか?気のせいではない。  しかし、なぜ?訳がわからない。  とりあえず、汗を流すためにシャワーを浴びる。気を取り直して図書館へ行こう。  図書館は夏休み期間ということもありいつもよりも、利用者が多いようだ。私は小説コーナーへ行き、何を借りようかと思案する。この時間が私は好きなのだ。  本棚に目を向けているが、視線の片隅で他の利用者がいることがわかる。ふとそちらに目をやると、こっちを見ている。  例のごとくあの視線だ。運動公園では遠目だったので、気のせいだと言い聞かせていたが、こちらは真正面から確実にこっちを見ている。気づくと、他の利用者も係員も、図書館内の視線が私に注がれている。  恐怖を感じる。あの夢と同じ恐怖。ここにいては殺される。 急いで出口へと向かい、車に戻った。誰も追いかけては来なかったが、ここにいてはいけない。  私は車を走らせ、家に戻った。その道すがら、歩行者やすれ違う運転手も自分を見ているような気がした。
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