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嫉妬と劣等感
今日もまた『城』の夢を見ている。
目の前には長い階段がある。後ろを振り返ると、昨日の魔女の森。昨日の兄弟たちは果たしてどうなったのだろうか。ふと森の出口を見ると、身なりの整った男が出てくるところだった。
「やあ」
男は気軽に声をかけてくる。
「君も城に行くのかい?」
私が頷くと、大袈裟な身振りで驚いてみせる。芝居がかった態度が鼻につく。しかし、行く先が同じなので、自然と一緒に階段をあがることになる。
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