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0800、ブリーフィングルーム集合・・・。
「まだこっちの空、地形については、事前に調べた程度にしか解んないだろ?空域慣熟訓練をやるぜ。飛行服で集合な。では、お疲れ。」
停車した場所は、女子宿舎の玄関前だった。今日はこれで解散らしい。
「ありがとうございました。明日から宜しくお願いします。」
私の一礼に、手を振りながら走り去る。
宿舎の部屋には既に案内されていた為、場所は解る。三回まで階段で上がり、長くない廊下を突き当たりまで進んだ。自室のドアを開く。
「・・・・・・・・・」
机や冷蔵庫は有るが、入居してすぐの為か、殺風景な部屋。部屋の中央に郵送してもらった段ボールが一箱置かれている。元々、私物はほとんど持ち込んで無かった。これからいろいろ買い足さなくてはならない。
「・・・明日から、始まる・・・」
これまでとは違い、現場の空での勤務。習得しなくてはならない事は山のように有るだろう。少なくとも、TR(トレーニング・レディネス)要員からAR(アラート・レディネス)要員になるまでは、戦闘機パイロットと名乗る気になれない。
「気負い過ぎも駄目・・・・・・」
自分に言い聞かせる様に呟く。まずはシャワーを浴びて、汗を流そう。長旅の疲れは今夜の内に取っておきたい。
SIDE “クルィーク”
平日の夜にも関わらず、街のパブはカップルで賑わっている。そんな中、相棒が若干不機嫌そうに食事している。
「ビクトル、遅かったじゃない。待ちくたびれたわよ」
「すまないな僕のヒヤシンス。今日も砂漠のオアシスに咲く1輪の薔薇のように美しく、愛らしい・・・・・・」
「んもう、アナタったら・・・・・・」
「今夜は寝かせないぞマイ、スイートピー・・・・・・」
横で歯の浮くような発言をしてイチャつくカップルを横目にソーンの表情がみるみる不機嫌になった。
「ヒヤシンスなのか、薔薇なのか、スイートピーなのかハッキリしろやクソリア充が」
「やめとけよ。日本語理解したらどうすんだ」
空気が悪い。
「今日カップル率高くね?お陰で落ち着いて飯食えねぇし」
「気にしたら負けだよ」
苦笑しながら、ご機嫌斜めのソーンのグラスにレモネードを注ぐ。俺も今日は呑まない。明日は飛行訓練だ。
「にしてもイルビスの件、OJT有るとは言え、もうARで良くね?充分飛行技術高いだろ」
「それな。今戦時下だし、すぐにでもOR行けるだろ。多分」
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