第2章 ティガー

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 SIDE “クルィーク” (見えてきやがった・・・・・・)  前方にうっすらと黒い小さなモヤの様なものが見えた。“ヤツ”だ。キャノピー・フレームの取っ手に手を掛けた。 「イルビス、前方に何か見えるか?」 「はい。黒煙の様なものが見えます」  真っ正面から来るコース。見た感じ、高度が完全に同じだ。 (あのおっさん、まさか・・・) 「イルビスかわせ!!!!」  叫ぶ。  グンッ  腹にGが急に襲い掛かる。突然の急上昇ー刹那。  ドンッ!! 「うおわッ!!!?」  声が出た。急上昇する最中、キャノピーに巨大な影が超音速で通過した。 「おっさん!!!!」 『ほう、かわしたか。エエ反応や。なら1つゲームをしようやないか。』  ダミ声がマイクから響く。 『ワイを撃墜してみろや。どんな手段を使ってもエエ。殺す気で来てみいや。』  地上と、うって変わって冷酷な声。
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