第2章 ティガー

15/30
前へ
/319ページ
次へ
 その横顔に表情は無いが、自らを撃墜した強敵の翼を見つめている。 「ーお前、隊長・・・レオが攻めになった瞬間、機動がやけに素早くなったな。なんでだ?」  彼女の紅い瞳が俺に向けられた。 「ー殺される。そう感じました。だからー」 「だから?」 「・・・・・・・・・・・・すみません。うまく説明出来ないです」  ・・・・・・・・・感覚的なものか。 「今後の訓練する上で良いデータになったわ。15分後、ブリーフィングルームで。あと、TACネームにさん付け要らないから。もっとラフに行こうぜラフに」 「わかりましたクルィークさ・・・」 「クルィーク」 「はい、えっと・・・クルィーク・・・」  不馴れな様子のイルビスに手を振り、自販機に向かう。  ・・・・・・殺されると思った・・・・・・ね。  
/319ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加