第2章 ティガー

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「ペイント弾使ってやってみるか?」 「・・・キャノピーぶち当たったら怖ぇな・・・」  課業終了後、アフターブリーフィングは飲み屋まで延長していた。今後の訓練カリキュラムを組まなくてはならない。 「・・・・・・ってかレオは?」 「リュークに怒られながら整備中」 「あ・・・・・・・・・」  ソーンが一気に呆れた表情になる。テーブルにチョリソーとマルゲリータ、ウォッカが運ばれてきた。ソーンの表情が更に呆れ顔になる。 「・・・・・・・・・やっぱロシア系はアルコール耐性が違うな」 「いや、流石に割るよ。今日はコーラで。呑む?」 「遠慮しとく」  なんだよ・・・と言いつつ、周囲に目を配らせた。客の大半は今日もカップルである。 「・・・・・・彼女欲しいなぁ・・・・・・」 「逆に良く年齢=居ない歴だよな。アイドルみたいな顔しやがって・・・」  ボソッと呟いたつもりだったが、聞かれていたらしい。相変わらずの地獄耳だ。 「放課後図書室オタク軍団の一員だったからなぁ・・・・・・ヤバいトークしてたし、エロ同人持ち込んで回し読みしてたし。」 「江田島でもやってたんだろ」 「まぁね。そういうお前も聖書と称して教育隊や術校で読んでたろ」  切り返した瞬間、ソーンの表情が曇った。 「・・・・・・まあ、借りパクされて、稚内のサイトに有るけどな。とうとう帰って来ず・・・」  一気に暗くなり始めた。面倒だ・・・。 「とりあえず当面はー」 「AR(アラート・レディネス)昇格ーだな?」  現時点で俺達の最大の関心事はイルビスの戦力化だ。空戦技術は申し分無いが、アラートで使えるかは解らない。 「まあ、ぼちぼちやるしかないな」  ARの次はOR(オペレーションレディネス)、当分先だが、1機編隊長資格もいずれは取って貰わなくては。 「Su-35Sだから、対地、対艦もやらなきゃだろ?」 「それに関しては15飛行隊が面倒見るってよ」 「15か」  ノルトヴェルク基地に所属する2個飛行隊の内、F-16を装備する第15飛行隊、コールサイン“ベゲモード”は対地、対艦攻撃部隊としての性格が強い。ロシア製装備にも何故か精通しているため、なんとかなるだろう。  
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